バドミントン飯野佳孝イズム

選手を強くしたい指導者と強くなりたい選手のためのブログです。

アップ過不足

先日実施した講習会でOクラブの指導者から質問はありましたので、ブログを通して以下
のとおり回答します。

OクラブのR選手(中学生)は、1日の最初の試合が始まるとアッという間に点数をとられ
てしまいます。対戦相手が
R選手の実力よりかなり低い選手でも同じようになってしまい
ます。
どうしたらいいのでしょうか? という内容です。

よく聞いてみると試合前のアップが不足しているため、試合が始まっても最初から体がス
ムーズに動かないのが原因のようです。

 

シングルスの試合は、最大心拍数の70~90%で行う極めて運動強度の高いものです。

従ってウォーミングアップでは、自身の試合中の予想心拍数まで一度上げておく必要があ
ります。心拍数をあげずに抑えたウォーミングアップで試合に臨むと、急に速く動くことがで
きないため最初に点数を取られるのも無理はありません。

車のレースを例にすると、ゆっくりした走行だけ行い、本番で急にアクセルをふかしても全
速で走ることはできません。本番前は、エンジンを徐々に温めてから、フルスロットルで走
行しておく必要があります。人間も同じことが言えます。

 

それでは、1日の最初の試合までのウォーミングアップの例を示します。

a. ジョギングやステップなどで5分以上かけて心拍数と体温を上昇させる

b. 筋肉を関節可動域内でダイナミックに動かす動的ストレッチを行う
(無理のない可動範囲から始め、徐々にダイナミックに動かす)

c. バドミントンのフットワークを行って試合中の心拍数まで上昇させる。シャトルが打てる
  なら、打ち合いの中で前後左右に速く動き試合中の心拍数まで上昇させる
  
 

 ★ウォーミングアップの全体時間は、気温にもよりますが30分前後を目安にして行いましょう。


d. ウォーミングアップ終了後、試合まで時間があれば体が冷えないようにする。
  試合直前にフットワークなどを行い心拍数を上昇させ、精神面を含め臨戦態勢に移す。
 

一方、1日の最初の試合前にランニングを速いスピードで20~30分実施している選手を見
かけます。その後に上記のd.c.を行うのでしょうが、試合前のウォーミングアップとしては
疲労の観点から非常に気になります。


シングルスのような運動強度の高い間欠運動を実施した場合、試合内容にもよりますが90
分程で主エネルギー源となる糖(グリコーゲン・グルコース)が枯渇
します。ランニングの
主エネルギー源は脂肪ですが、糖もエネルギー源として利用されます。速いスピードで走ると
糖を利用する割合が多くなってゆきます。

 

限りあるエネルギー源を大切な試合前に浪費することはないと考えるわけです。

 

普段の練習のルーチン【routine:決まりきった手順】の一環で、試合前でもランニングを
行っているのであればルーチンの内容やランニングの是非をもう一度検討しましょう。

 

ウォーミングアップの目的は、

  怪我の予防

  運動強度を上げておき試合開始ですぐに速く動けるようにする

  精神面を試合(練習)に向け研ぎ澄ます

ことです。

ウォーミングアップ過不足と実施内容を見直しては如何でしょうか!

 

 

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  1. 2013/05/25(土) 09:00:00|
  2. ウォーミングアップ
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負のスパイラル

先日いくつか講習会を行いました。その際、質問がありましたが時間がなかったため回答
が不十分でしたので詳しい内容を記載します。さらに、私が講習会で気が付いた内容も以
下に記載します。

 

1.足踏みして打つ選手

  十分な体勢でスマッシュやクリアーなどのオーバーヘッドストロークを打つ場合、その場で
  「足踏み」をしてから打つ選手がいます。選手の父兄の方がいたので、なぜ足踏みして
  から打つのですか? と伺ったらタイミングをとるためにそうした方がいいと指導者に指導
  されたそうです。

  1・2・3ハイ、1・2・3・4ハイとタイミングをとって打つわけです。

  そこで、以下のとおり説明しました。

 

a.選手自身がタイミングをとりやすくなるかもしれないが、対戦相手にとっても自身がいつ打つ
  のかタイミングをとりやすくなります。

 

b.足踏みしてから打つと、右足に体重をかけて強く踏み切ることが出来なくなります(右利きの
  選手)。そうすると両足を空中で入れ替え骨盤を捻る力が弱くなるため運動エネルギーの発
  生が少なくなり、自身の最速のスマッシュやドリブンクリアーを打てなくなります。

  メリットとデメリットを比べると足踏みしてから打たない方がいいことが分かります。

  足踏みして打つ選手は、圧倒的に女子選手が多いのが特徴です。男子選手に比べ指導者
  の言うことを忠実に実行しようとするからなのでしょうか?

  足踏みしてから打つ選手は、早く改善したいですね!

 

 

2.左手はシャトルをつかみ取るようにして打つのか?

Q:オーバーヘッドストロークでシャトルを打つ際、利き腕(右手)の逆(左手)は、シャトルをつ
  かみ取るようにするのですか?

A:ブログ「勇羽ビデオ講義」で説明した左手を照準器として働かせるのか? と同じ回答に
  なります。試合では対戦相手のショットで、自身の体勢を崩されて打つ場面がほとんどです。
  体勢が崩れても左手でシャトルをつかみ取ろうとするのでしょうか? 

  真面目な選手は、それでも左手でシャトルをつかみ取ろうとしてストロークを起動した場合、
  体のバランスを崩したりしてフォームがおかしくなります!

  左手でシャトルをつかみ取ろうとすると、目で飛来するシャトルをとらえ、左手をシャトルの
 軌道に合わせてその都度移動させた後、ストロークを起動することになります。この行為
 が余計であり
選手の集中力を低下させる要因になります。

  「左肘を少し曲げて、左腕をあげる」ことでストロークを起動しましょう!

 

 

3.コンパクトにスウィングする?

  未だに全てのストロークはコンパクトにスウィングすることが正しいと思っている指導者と
  選手がいることは残念です。

  コンパクトにスウィングするという定義は、ストロークを起動してインパクトまでをテークバッ
  ク、インパクト後をフォロースルーといいますが、その間のラケット面の軌道が短いことを
  指します。

  遅いシャトルがきて速いドライブを打ちたい場合は、利き腕の肘を引き、引いた反動で打
  ちたい方向へラケットをスウィングします。結果、ラケット面の軌道はコンパクトではなく、
  大きな軌道を描いてスウィングされます。

  一方、速いドライブを打たれたのに対し同じく速いドライブで返球したい場合は、利き腕の
  肘を引かない、もしくは、少しだけ引いてスウィングします。この方法だとコンパクトにスウィ
  ングすることになります。速いショットを打たれたので肘を引く時間がないからです。又、速
  いショットの作用に対してタイミングよくインパクトすれば反作用で速いドライブが打てます。

  このように同じドライブのストロークでも、相手のショットのスピードと自身がどんなショットを
  打ちたいかによってラケットをコンパクトにスウィングしたり、大きな軌道でスウィングしたり
  します。
  さらに、肘を引く距離は、たくさんあると考えて下さい。

  ドライブだけでなくスマッシュ、クリアー、相手のスマッシュをドライブや高いロビングで返球
 する際なども同様です


  全てのショットをコンパクトにスウィングすればよいという考え方は訂正する必要があります。

  サッカーのシュート時の足の軌道、野球のバッターのスウィングからもイメージできると思います。


これらを周りの選手が会話や実行していたら、すぐ修正するようアドバイスしましょう。

負のスパラル(連鎖的に悪循環が生じること)は、拡散しないよう早く断ち切る必要があります。

 
集合ジュニア (2)

集合ジュニア 

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  1. 2013/05/18(土) 09:00:00|
  2. 技術
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  4. | コメント:2

終了は選手が決める!

トレーニングを実施するとき、チーム全員が同じ回数やセット数で実施している場合が多くあ
ります。果たしてトレーニング効果があるのでしょうか?

Y中学バドミントン部にはスタミナのあるA選手と、スタミナがあまりないB選手がいます。
今日は、練習の終盤にバドミントンのスタミナ向上のためのフットワークを実施しました。動く
コースと打つショットを指示者が指示して30秒動きます。

動く時間と休息の時間の比は、1対1、30秒動いて30秒休息することを繰り返しました。

セット数は10セットです。

 

結果、練習の終盤に行ったフットワーク練習にも関わらずスタミナのあるA選手は、余力を残
して完遂しました。

しかし、スタミナのないB選手は、チームメイトやコーチの視線を意識し、スピードを落としなが
ら10セット終了しましたが疲労困憊です。

果たして、このフットワーク練習は、両選手にとって効果があったのでしょうか?

セット数を決めて実施することに効果があるのでしょうか?

 

体力のある選手は、その体力に合わせて多くの回数やセット数を行わなければなりません。

体力があまりない選手は、その体力に見合った回数やセット数を行うことが大原則です。

従ってチーム全員が同じ回数やセット数を実施しても、各選手の効果は半減してしまいます。

 

それでは、フットワークやノックにおけるスタミナ向上のための条件を整理してみましょう!

バドミントンでスタミナを向上するための練習・トレーニングは「バドミントンの動作で速く長く動き、
短い休息を挟み、繰り返し実施することで乳酸を大量に生成し、それに体を適応させるようにす
る」ことを「ランニング神話から目覚めよ!」で述べました。

そこで、スタミナを向上するための条件を以下に説明します。

 

1.乳酸を大量に生成するために30秒~1分30秒最大スピードでフットワークやノックを行う
    必要があります。解糖系(乳酸系)のトレーニングを行うわけです。Y中学では30秒間最大
    スピードで動くことにしました。

 

2.運動と休息の時間を1対1とすることの背景は、バドミントン競技は間欠運動であり、非常
    にレベルの高い試合では、動いてる時間とシャトルを拾って構えるまでの時間が1対1近く
    になるためです。

 

3.それと非常に大切なのが「これ以上できなくなるまで」専門用語でいうと「オールアウトまで
    行う」ことなのです。呼吸が苦しくなってできなくなるまで、足が動かなくなるまで実施するこ
    とが条件です。最大心拍数の70~90%以上の運動強度で動き、運動と休息の時間を1対
    1で行っていけば当然オールアウトを迎えます。

 

4.フットワークやノックでスタミナ練習を行う場合は、週2回、多くて週3回までとしましょう! 
    それ以上実施するとオーバーワークになり怪我や体力低下が起こります。

 

注】選手は、いきなり上記の条件で実施することは出来ないので、動く時間を短くし休息時間
     を長くするなりして、長い期間を要して徐々に実施できるようにしましょう。

     また、小学生は上記条件をそのまま適用する必要はありませんが、ある程度の運動
    強度は必要であり、運動時間と休息時間なども考慮する必要があります。

 

このように考えるとA選手はオールアウトまで実施していません。物足りないスタミナ練習になっ
てしまいました。

一方、B選手はスピードを落として最後まで実施しましたが最大スピードで行っていないため効
果があったとは言いづらい内容です。

 

両選手及びチーム全員に効果のあるスタミナ練習は、セット数を決めず「最大スピードで動き、
オールアウトまで実施すること」になります。すなわち
終了する決定権は選手自身にあるの
です

 

しかし、注意する点があります。

1.選手が自分自身で追い込みすぎてしまう可能性があります。指導者やチームメイトは選手
    を観察しておき、選手が終了を告げる前にストップをかけることも必要です。また、記録をと
    っておくとおおよその目安が分かります。

 

2.週の練習量や疲労度合、フットワークやノック練習を行う前までの練習量によってオールア
    ウトに至るセット数が違ってくることを理解しましょう。疲労が著しい場合は、フットワークや
  ノック練習自体を中止することも視野に入れておきましょう。

 

いやいやうちのC選手は、これ幸いにすぐに終了します。という声が聞こえてきそうですね。C
手にスタミナ練習の背景を説明し納得してもらう必要があります。理解したにも関わらず、すぐ
に終了する選手は、回数やセット数を決めて行っても同じ結果になるでしょう。


さて、このように考えると終了する決定権を選手自身に任せることは、フットワークやノック練習
だけに当てはまるのでしょうか?

 

・筋持久力トレーニングの負荷、回数やセット数の設定

・バドミントンのトレーニングで必須である縄跳びの回数やセット数の設定

・ダッシュや階段昇り降りの回数やセット数の設定

なども当てはまります。

このようにして実施すると、選手はやらされている感が少なくなるのではないでしょうか!


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  1. 2013/05/11(土) 09:00:00|
  2. トレーニング
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ラケットショプアッド講習会開催

私の高校と大学時代のライバルであった日下 昇氏は香川県高松市でラケットショップを経
営しています。
そこでは何とバドミントン専用コート3面がありスクールなどを展開しています。

その体育館で下記の通り講習会を開催することになりました。
県外の方の参加も可能ですので、このチャンスを逃さないよう奮ってご応募下さい。

ラケットショップアッドホームページ 

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「ラケットショップアッド」バドミントン講習会開催のご案内」

主催・会場:ラケットショップ アッド 
        香川県高松市一宮町908-3 http://www.rsadd.com/

日 程:  6月29日(土)8時30分受付開始 9時開始~18時終了予定  
             6月30日(日)9時開始~17時終了予定

講 師: 飯野佳孝 コーチングセミナー専任講師 
             「バドミントン教本基本編・応用編・Q&A」の著者
       「見てうまくなるバドミントン教本DVD」企画・監修・出演
       「NHKスポーツ教室」出演・指導2001~2003年・2005~2007年・2009年~2010年

       飯野裕子 常葉大学教職課程バドミントン非常勤講師
       「バドミントン教本Q&A」の著者 
             「見てうまくなるバドミントン教本DVD」指導・出演 
             「NHKスポーツ教室」出演・指導2001~2003年・2005~2007年・2009年~2010年

講習内容  シングルスの試合で使う技術・フットワークの習得、競技力向上のノック練習

募集対象  小学生・中学生・高校生・一般 バドミントンを初めて2年以上で競技力向上を目指す選手
          小学生・中学生・高校生の指導者(指導の方法を学びたい方)

募集定員  選手36名(定員になり次第締め切ります)
          指導者10名(定員になり次第締め切ります)

申込締切日 6月3日(月)定員になり次第締め切りますのでお早めに!


要項詳細  ←クリックすると講習会要項詳細が見れます


参加申込用紙  ←参加希望の方はクリックしてください


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  1. 2013/05/04(土) 09:00:00|
  2. セミナー/講習会
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  4. | コメント:1

プロフィール

Author:飯野佳孝
●主な著書&DVD制作
バドミントン教本「基本編」
バドミントン教本「応用編」
バドミントン教本「Q&A」
DVD見てうまくなるバドミントン教本
目でみるバドミントンの技術とトレーニング
「ナイスショット勇羽」原作者 他
●NHKスポーツ教室 企画・解説・指導
2001年・'02年・'03年・'05年
・'06年・'07年・'09年・'10年
●コーチングセミナー専任講師
●全日本ジュニア研修合宿指導委員長
1992年~2007年
●選手としての主な成績
デンマークオープンダブルス優勝 1979年
全英選手権ダブルス3位 1979年
カナダオープンダブルス優勝 1977年
 ペアは全て土田証雄氏

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