バドミントン飯野佳孝イズム

選手を強くしたい指導者と強くなりたい選手のためのブログです。

ドロップを効果的に打つ【動画と解説】

「より速く、より高く、より強く」は、オリンピックのモットーです。バドミントン
でも「より速く、より高く、より前で」と唱える指導者が多くいます。選手も、その
言葉が頭から離れないようです。しかし、このような固定観念にとらわれてプレーす
ると、技術のレパートリーが限られるし、対戦相手の足を止めて動き出しを遅らせる
ことが出来なくなる、などの弊害が生じます。
その代表的なものが「ドロップ」の技
術です。「高い打点で打て、前で打て!」と指導されているためドロップを効果的に
打てない選手が多くいます。

ドロップで必要な要素は、
クリア、カット、スマッシュなどの強打と見せかけてドロップを打つ 
打った後のシャトルの落下地点の目安が、サービスラインよりネット寄りになるよ
    うにコントロールする。ことです。


下図を見てください。コートを横から見た簡略図です。各ラケット面(打球面)とド
ロップを打った後のシャトルの軌道を示しています。
下図の①は、打点を高くして前で打った場合です。シャトルの軌道が直線的になって
いることが分かります。結果、シャトルの落下地点がサービスラインより先に落下す
ることが容易に理解できます。

一方は、打点を落としてインパクト時のラケット面(打球面)の角度を上方向にし
て打った場合のシャトルの軌道です。ネットの手前で山を作ることができるため、ネ
ット寄りにシャトルを落下することが可能になります。


◆打点の変化による落下地点の差異
ドロップのラケット面  

今回公開する動画は、サマーキャンプに参加した選手3名がストレート方向に打って
いるドロップです。インパクト時にシャトルをフラットに当てて打つドロップです。
インパクト時にラケット面が上向きに向いて打っています。確認するためにはイン
パクト後のシャトルが打ち出された角度を見てもらえれば分かると思います。

◆打点を落としフラットに当ててドロップを打つ


3名共、何回がキャンプに参加しているため技術的には高いレベルにあります。
非常に上手いですね!!

一般的に女性選手の方が、ドロップをマスターするのが早いようです。強打だけでは
通用しないという深層心理が働いているのでしょう。それに比べ男子選手は、強打に
頼るためマスターが遅いようです。男子選手にとってドロップは決める球ではないか
もしれませんが、対戦相手にとって選択肢を増やし反応時間を遅らせる効果がありま
す。ドロップを加えることでカットやスマッシュ、クリアの効果が増すと考えること
が必要です。

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  1. 2017/08/30(水) 07:00:57|
  2. 技術
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2017サマーキャンプ終了

8月18日(金)~20日(日)に開催したサマーキャンプが盛況のうちに終了しました。
参加者は、13都県から3日間で延べ総勢275名です。

<廣田講師担当内容>
今回は、コート内移動スピードとスタミナを測定し評価するために、椅子タッチする
回数を設定しタイム測定を行いました。翌日、コート内移動スピードとスタミナを向
上する背景とトレーニング方法を講義し、タイム測定結果の見方を説明しました。コ
ート内移動スピードとスタミナは、バドミントン競技力の中心的な要因のため、トレ
ーニングによる維持向上と定期的に測定することの必要性を理解したと思います。

◆椅子タッチによるタイム測定の様子
椅子タッチテスト 

◆廣田講師の講義風景

講義風景 

<終了後匿名による感想内容>

・スムーズな進行でよかったです。講師の説明が分かりやすく素晴らしかった。(大学生) 

・とても良い講習会でした。とても分かりやすかったし、楽しかったです。(中学生)

・分かりやすい説明で上手くなった。(小学生)

・このような企画をして頂き、とても貴重な経験になりました。アットホームな感じで、 
   とても楽しかった。(社会人)

・自分では気づかなかったことも、優しく指導してくれたことがとても良かった。説明
   も分かりやすく笑顔になれた。(中学生)

・知らなかったことをたくさん丁寧に指導頂き感謝です。皆さまの熱い指導でありがた
   か ったです。(保護者)

・自分に必要な技術を習得できた。とても分かりやすくアドバイスも的確だった。ご飯
   もおいしく、先生方のジョークが面白かった。(中学生)

・スピード、スタミナのトレーニング方法を理解しました。とても勉強になりました。
 (社会人)

・1コートに2名以上のスタッフと指導者がいたので指導が行き届いていました。(社会人)

・ショットの打ち方や練習の意図が明確で分かりやすかった。自分のバドミントンを変
   えるよいきっかけになった。(社会人)

・みんなで一緒にノックやトレーニングをやっていたら仲良くなれて、嬉しかった(小学生)
  
・3日目のスタッフ方と保護者を含めたミーティングは、いろいろな意見が聞けてよか
 った。ひとつひとつ丁寧に説明してくれて分かりやすかった(指導者)

・よく考えられて無駄のない流れで素晴らしいと感じました。このような講習会に参加
 できて、とてもラッキーです。分かりやすく、さすがプロ中のプロと思いました。こ
 ちらも無駄がなく。そして大事なポイント、ためになる話が多く、すべてが貴重でし
 た。そしてフィーダーの方々の球出しの技術が圧巻でした。レベルの高さにただただ
 驚きました。(社会人)

・ひたすら技術練習でゲームなしというのはどうなんだろうと思いましたが、なぜそう
 なのか分かりました。(社会人)

・試合中のどの場面で練習した技術を使うのか、よく分かりました。(中学生)

・自分のスピード力、スタミナ力を理解し、定期的に測定しながら向上させることが重
 要(社会人)

・自分から前にでて行うというチャンスがあり、自信がつきました。細かいところまで
 教えてくれて、とても勉強になりました。(小学生)

・それぞれの技術を身に付けるには、その練習を行うための球出しの重要性をとても感
 じました。3日間、球出しをして下さったスタッフの皆さま、指導者の皆さまありが
 とうございました。(社会人) 

・スタッフの方々の献身的な指導に感謝します。手際もよく、時間管理の意識も高く、
 素晴らしいと感じました。大変お世話になりました、ありがとうございました。(社会人)

<飯野コメント:シャトル置き・拾いのトレーニング>
廣田講師講義後、短時間ですが指導者&保護者とのコミュニケーションを図るため意見
交換を行いました。その中で練習や協会主催練習会などで、頻繁にシャトル置き、シャ
トル拾いを行っているようです。
目的は? と質問すると少しあやふやな回答です。
移動スピードを向上するのか? 
スタミナを向上するのか? 
柔軟性を向上するのか? 
筋力を向上するのか? 明確ではありません。

シャトルを置く、拾うとすると1回1回止まってしまうのでスピードやスタミナ向上を目
的としたものではない。止まらないでスピードを上げて実施すると無理な姿勢のために
腰や膝を怪我する可能性が高い。
筋力トレーニングなら適切なフォームで実施しないと怪我をする可能性がある
柔軟性を向上するのなら静的ストレッチなどで無理のない姿勢で行うべきである。
などからうさぎ跳びと同類のトレーニングで、障害発生のリスクが高いトレーニングと
位置付けました。(廣田&飯野同意見)

スピード、スタミナを向上する目的なら、ブログの動画で紹介しているとおり、ラケッ
トで椅子をタッチするなどして腰と膝に必要以上に負荷がかからないようにすることを
お勧めします。
練習・トレーニングを実施する場合、目的は何か? 条件は? を明確にして実施する
必要があります。明確な目的もなく実施していても効果が低いと言わざるを得ません。


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  1. 2017/08/23(水) 07:00:10|
  2. トレーニング
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腕のパワーアップ【質問と回答】

<質問>
高校生を指導しているMです。器具など特に使わなくともよい腕のパワーアップの方
法を教えて下さい。

<回答>
まず最初にパワーの意味を再確認しましょう。スポーツでは、パワー=力×スピード
です。力(筋力)にスピードの要素を加えたものです。バドミントンにおいて筋力を
向上することは怪我の予防や、長時間練習できるようになるためにも必要です。しか
し、パフォーマンスを向上させるためには、スピードの要素も向上する必要がありま
す。つまりパワーの向上です。

バドミントンのプレー場面からパワー発揮を見ると、
高くジャンプしてスマッシュを打つ
サイドに飛びついて打つ、ネットに飛びついてプッシュする
シングルスのサイドレシーブでやっとレシーブした後、素早く立ち直る
速いスマッシュを打つときに、体の各部位で大きなパワーを発揮する。
などがあります。

世界レベルでのプレーで考えると、日本の男子はこのパワーの部分で劣っていると言
えます。長年に渡り心肺機能を高めるトレーニング、特に有酸素系トレーニング(長
距離走:ランニング)を重点的に継続実施しているために、その弊害が出ています。

今回紹介するのは器具を必要としない「プライオメトリクストレーニング(プライオ
メトリックトレーニング)」です。
ジャンプでプライオメトリクストレーニングの仕組みを説明すると、ジャンプして、
着地する際、主に下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)と大腿四頭筋(ふともも前面の筋
肉)が伸張します。すかさず切り返して大きくジャンプすると短縮します。着地して
素早く切り返しジャンプする際、多くの筋繊維が動員され強力なパワーが発生します。
この筋肉の「伸張―短縮サイクル」の動作をプライオメトリクストレーニングと呼び
ます。
トレーニングの背景には、主に伸張反射の利用があります。伸張反射とは、筋肉は勢
いよく引き伸ばされると、筋肉内にある「筋紡錘:きんぼうすい」と言う感覚器官が
自動的に筋肉を収縮しようとする働きをいいます。
プライオメトリクストレーニングの目的は、伸張反射などを利用し筋肉の収縮速度を
最大限に引き出そうとするものです。


プライオメトリクストレーニングは、見た目は重いものを持っていないため楽なトレ
ーニンングと思いがちですが、瞬間的には、筋肉と腱、関節に非常に大きな負荷がか
かるため、基本的な筋力トレーニングを十分に行って筋力をつけてから実施する必要
があります。従って、高校以上が対象のトレーニングです。

今回は、腕のパワー発揮を向上するための「プッシュアップジャンプ」です。

◆プッシュアップジャンプ



腕立て伏せのジャンプ版です。中心になって働く筋肉は、腕(ラケット)を振るため
の大胸筋と、肘を曲げた状態から伸ばしてラケットをスウィングするための上腕三頭
筋です。いずれもラケットを速くスウィングするための筋肉です。

◆大胸筋と上腕三頭筋
大胸筋と上腕三頭筋

<トレーニングの条件>
◎対象選手:高校生以上
◎通常の腕立て伏せの筋力トレーニングを長期間実施し、筋力を向上させてから実施す
 ること
◎実施回数は、1セットあたり5回~10回 疲労でフォームが崩れる前に終了すること
◎1日当たりの合計セット数の目安:3セット~5セットで疲労困憊まで追い込まない
◎週の実施頻度:1~2回
◎肘を曲げた後、素早く肘を伸ばし伸張反射を引き出す

さて、冒頭にパワー=力×スピードと説明しました。パワーの基盤となるのが力(筋力)
ですので、最大筋力を維持向上する筋力トレーニングとプライオメトリクストレーニン
グを並行して実施していく必要性があります。

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  1. 2017/08/16(水) 07:00:51|
  2. トレーニング
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サマーキャンプカリキュラム公開

8月18日(金)~20日(日)開催のサマーキャンプカリキュラムを公開します。

◆2017年サマーキャンプカリキュラム  ←クリックすると見ることができます。


参加者の皆さまへ、以下のとおりご連絡いたします。
・カリキュラム内容を事前に把握していただき効率のよい進行を心掛けてください。

・暑い日となると思いますので、水分は各自準備をお願いします。

・決して無理はしないようお願いします。体力に応じて休憩することは可能です。

・日頃の疑問が未解決のままにならないよう、積極的に質問をしましょう!


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  1. 2017/08/09(水) 07:00:34|
  2. セミナー/講習会
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ダブルス4点アタックのノック練習【動画と解説】

今回は、ダブルスのアタック力を高める4点アタックを動画で紹介し解説します。

<練習の目的>
ダブルスで必要な動きは、
前衛がサイドでプッシュしたら、ネット前の逆サイドへ返球されてノータッチしな
  いように素早く逆サイドへ移動する。

ネット前にプッシュし、少し後ろに返球された球を攻撃する。

サイドでスマッシュを打ち、次に逆面に低く上がってきた球を飛びついて攻撃する。

中盤でスマッシュやドライブを打ったら、ネット前に詰める。

4点アタックは、それらの必要な要素を入れたダブルスのノック練習です。
コート内の狭いエリア4点を四角形に移動してスマッシュとプッシュを行います。

左回りの際、ネット前バックサイドでプッシュした後、約180度方向転換して後方へ移
動するので、この方向転換を速くするようにしましょう。


◆ダブルス4点アタック


<練習の条件>
今回は、本数を少なくしてスピード向上を目的に実施しました。本数が多くなるとスタ
ミナ向上の練習になります。練習の条件は、7月10日公開記事「ノックの目的」を参照
 願います。

<フィーダーの注意点>
選手が一旦足を止めないように、球出しのテンポに注意しましょう。
球出しの際は、利き腕の肘を後方に引いてストロークを大きくしましょう! 楽に飛距
離が出るし、腕の軌道が長くなるのでコントロールも向上します。

<飯野コメント>
ノック練習は、試合のどの場面を想定して実施しているのかを説明する必要があります。
ただ、打っているだけでは選手の意欲が低減します。動機付けは非常に重要です。


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  1. 2017/08/02(水) 08:59:18|
  2. 練習方法
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プロフィール

Author:飯野佳孝
●主な著書&DVD制作
バドミントン教本「基本編」
バドミントン教本「応用編」
バドミントン教本「Q&A」
DVD見てうまくなるバドミントン教本
目でみるバドミントンの技術とトレーニング
「ナイスショット勇羽」原作者 他
●NHKスポーツ教室 企画・解説・指導
2001年・'02年・'03年・'05年
・'06年・'07年・'09年・'10年
●コーチングセミナー専任講師
●全日本ジュニア研修合宿指導委員長
1992年~2007年
●選手としての主な成績
デンマークオープンダブルス優勝 1979年
全英選手権ダブルス3位 1979年
カナダオープンダブルス優勝 1977年
 ペアは全て土田証雄氏

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