バドミントン飯野佳孝イズム

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ホームポジション付近の構え

学生のM選手からホームポジションでの構えはどのようにすればいいのでしょうか? 
という質問がきましたのでブログに考え方を掲載します。

タイトルは、ホームポジション付近の~ としています。実際、試合中にラリーが始まった
ら必ずしもホームポジションへは戻らずホームポジション付近に戻る、もしくはあるエリア
で打った後、直線的に次のエリアに移動します。従いましてここでは、ホームポジション付
近の構えというタイトルにしました。

各ストロークでラケットを動かし始めるポジションは、打とうとするショットによって異なりま
す。ホームポジション付近からラケットを動かし始めラケットの動きを中断せず各ショット
を打つわけではありません。
ラケットは、ホームポジション付近の構えから各ストロークでラケットを動かし始めるポジ
ションまで移動させます。そこでラケットを一旦止め、改めて打とうとするショットのストロ
ークを開始します。
ホームポジション付近の構えからスウィングを開始するストロークは、ボディー付近に来
たシャトルの返球もしくはレシーブするときです。

◆ホームポジション付近での構えの例
HP構え
 
◆十分な体勢から最大スピードのスマッシュを打ちたい場合のラケットのスタートポジション例
十分な体勢スマッシュ 
◆シングルスでカット、ドロップを打たれ、相手コートのネット際へ返球するときのラケットのスタートポジション例
シングルスレシーブ 
◆ネット前プッシュのラケットのスタートポジション例
ネット前プッシュ 
◆ハイバックを打つ際のラケットのスタートポジション例
ハイバック 

このようにして考えるとホームポジション付近の構えは、ラケットをスウィングするための
スタート地点ではないことが分かります。
そうするとホームポジション付近の構えは、各ストロークでラケットを動かし始めるポ
ジションまでラケットをスムーズに速く動かすことが求められます。また、構えている
間、疲れにくいラケットの保持も必要です。

下の写真は、上のホームポイション付近での構えを横から撮影したものです。
利き腕の肘を落として楽に構えています。尚且つ肘を曲げ、手関節ではラケットを立てて
(リストスタンド)保持しています。こうすることで各ストロークでラケットを動かし始めるポ
ジションまで素早くラケットを移動させることができます。

<背景>
長い棒をスウィングすると速くスウィングできませんが、その棒を折りたたんでスウィング
すると速くスウィングすることができます。このように回転運動における動かしやすさは、
重さだけではなく、その重心が回転軸からどのくらい離れているかで決まります。
長い棒の場合は、折りたたむことで重心が回転軸に近づき速いスウィングを行うことが
できるようになります。
このことを力学的には、慣性モーメント(慣性能率)が小さいといいます。慣性モー
メントの式は、慣性モーメント=質量(重量に比例)×回転半径の2乗です。

ラケットやバットを短く持ってスウィングするのは、慣性モーメントを小さくしてスウィングし
やすくしているわけですね。スマッシュやドライブを打つ際も、インパクト直前まで肘を曲げ
スウィングしますが、これも慣性モーメントを小さくしてスウィングスピードを速くしていると
解釈することもできます。
他にもよく例に出されるのがフィギアスケートの回転です。両腕を体に密着して回転する
と速く回転できます(慣性モーメントが小さい)。しかし、両腕を左右に伸ばして回転する
と回転速度が遅くなる(慣性モーメントが大きい)。ことからも理解できると思います。

さて、元に戻りましょう。
ホームポジションの構えも慣性モーメントを小さくしてラケットの操作性を高めたいと考え
ます。左右、上下への移動(回転)の速さを得るために利き腕の肘を曲げ、リストを
立てて質量の中心(重心に同じ)を体に近づけています。


◆横からみたホームポジション付近での構え
リスト立てて構える

さて、慣性モーメントをさらに小さくするために利き腕の肘を完全に曲げて構えたらどうで
しょうか? ラケットが顔に近づき過ぎるため邪魔になるし移動の妨げになりますね。また、
相手が打ったスマッシュやカットに素早く対応するために肘は完全に曲げていないほ
うがいいでしょう! 肘を完全に曲げて構えているとレシーブのラケットポジションま
で遠くなります。(相手が打つスマッシュ・カットは最短時間で自コートに到達するため
、それに対応する構えが必要です)
肘を曲げる角度は、選手自身がラケットを保持しやすい角度でいいと思います。
しかし、リストは立てておきたいですね!

注>女子選手は、肘を完全に曲げてラケットを立てて構える選手が非常に多くいます。
   早く修正しましょう!

また、両足は相手が打つ際に床を蹴る必要があるため、床を蹴りやすい歩幅と膝の角度
にしましょう。

読者の皆さんも一度確認されては如何でしょうか?

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Author:飯野佳孝
●主な著書&DVD制作
バドミントン教本「基本編」
バドミントン教本「応用編」
バドミントン教本「Q&A」
DVD見てうまくなるバドミントン教本
目でみるバドミントンの技術とトレーニング
「ナイスショット勇羽」原作者 他
●NHKスポーツ教室 企画・解説・指導
2001年・'02年・'03年・'05年
・'06年・'07年・'09年・'10年
●コーチングセミナー専任講師
●全日本ジュニア研修合宿指導委員長
1992年~2007年
●選手としての主な成績
デンマークオープンダブルス優勝 1979年
全英選手権ダブルス3位 1979年
カナダオープンダブルス優勝 1977年
 ペアは全て土田証雄氏

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