バドミントン飯野佳孝イズム

選手を強くしたい指導者と強くなりたい選手のためのブログです。

仰木の里ジュニアチーム練習計画公開

競技力向上を目指すチームは、練習計画作成は必要不可欠です。
練習計画がないと、いつの間にか毎回同じような練習になってしまい、選手の競技力が停
滞してしまいます。
練習計画があると、選手及び指導者が長期的尚且つ短期的にどのような練習・トレーニン
グを実施するのか把握することができるため、目的意識が向上します。また、重要試合が
終わり、次に向けて練習を再開する時、今まで行ってきた練習・トレーニングが適切だった
のかどうか判断する材料になります。

そこで今回は、滋賀県の小学生チーム「仰木の里ジュニアチーム」の練習計画を紹介しま
す。代表の山田悟史氏に練習計画公開をお願いしたところ、快諾して頂きました。心より
お礼を申し上げます。

さて、改めて小学生の練習・トレーニングの狙いをおさらいしてみましょう。
小学生段階は、神経系の発達が著しいことから、実施する練習・トレーニングの中心的
な狙いは、
① バドミントンの技術習得
  仰木の里ジュニアでは、スピンネット、クロスネット、ハイバックなどいろいろな技術を習
  得するよう計画しています。
② フットワークを含めた素早い身のこなしが出来るようになる
  仰木の里ジュニアでは、スピードノック練習、椅子タッチタイム測定、ステップ練習(クイッ
  クネス・アジリティトレーニング)、ラダートレーニング、ドットドリルなどを実施して素早い
  身のこなしが出来るように計画しています。

それでは、練習計画を見てみましょう!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<仰木の里ジュニアチーム代表山田悟史の練習計画内容説明>

1.仰木の里ジュニアの紹介
7年前に地元の小学生のバドミントンクラブとして創部しました。最初はバドミントンの楽しさ
を知ってもらうことを目的にシャトルを打ち合っていたものでした。
その後、大会に出場するうちに子どもも大人も熱が入り、バドミントン経験者に練習相手を
してもらうなど練習時間が増えていきました。そして、この数年でようやく若葉カップや全小
に出場する子どもが出てきました。
私が代表となって3年が経とうとしています。規律正しい練習を目指していますが、小学生
部員が35人以上に増え、なかなか子どもの集中を保つことも大変であります。そんな中、
今回公表することになった練習計画は、日々の練習を考える上での道標として、そのとき
どきの方向性を明確にしてくれています。

2.練習計画作成に至った経緯
練習計画を作成する前は、練習の前日にノートを開き、「ランニング→ストレッチ→素振り→
フットワーク→基礎打ち→ノック→ゲーム」の基本パターンの中で子どものコート割を考えた
り、内容に変化をもたせるように工夫したりするのが練習メニュー作成でした。
2年前、千葉工大で開催したコーチングセミナー「スプリングキャンプ」を受講したときに正し
い理論に基づいた技術指導が必要であると気づき、飯野さんにお願いして自チームで講習
会を開催していただきました。
その際、飯野さんからは子どもへの技術指導だけではなく、チームを率いる指導者が具備
すべき点についてご指導いただきました。そのひとつが、練習計画の作成です。

3.練習計画で工夫した点
1シーズンを重要な試合にむけての「基礎期」「専門期」「試合期」に分けた。
それぞれの「期」ごとに練習内容だけでなく運動強度や回数にも差をつけて、この時期には
どこに重点を置いているのか明確にし、試合までに必要な強化項目を各期で着実にクリア
ーできる。また、子どもに練習が目標の試合にむけて、序々にステップアップしていることを
意識させることで意欲向上につながると考えた。

部員を4つのカテゴリに分けた
全部員を「上級」「中級」「初級」「新入部員」に分類し、そのカテゴリに応じたレベルや負荷
を考慮した個別の練習メニューを組めるように考えた。

練習時間の枠
子どもが集中力を保てる30分を1枠とし、時間割のように時間がきたら次の内容に進むよ
うにした。

練習の目的の明確化
練習を始める前に、この練習の目的は「技術」「スピード」「スタミナ」のいずれを強化するこ
となのか、子どもに伝えておく。そのことで、子どもは頭や体の使い方を変えられて、より意
識高く持続的に取り組むことができる。

練習の順番
集中力が必要とされる打ち合い練習やゲーム練習を練習序盤に行う。スピード練習後に
は回復を図る練習をいれたり、精神的にも肉体的にも追い込むスタミナ練習を練習終盤に
行ったりといった工夫をする。

練習の回数
常々、飯野さんから「やりすぎは故障につながる」、一方「少ないと能力が向上しない」と教
わっており、特に「スピード練習」や「スタミナ練習」には「期」に応じた回数を実施するよう
にこだわった。
スタミナ練習は、中学生以上が実施すべきオールアウトまでは行っていない。しかし、スタ
ミナ向上を意識して、ある程度まで追い込むようにしている。

基礎打ちを実施しない
「基礎打ち」の目的が不明確なため実施していない。基礎打ちを実施する時間を利用して
試合で使いたいショット、マスターしたい技術の技術練習を行っている。

基礎トレーニング
小学生から行っておくべきアジリティートレーニングやクイックネストレーニング(練習計画
では、ステップ練習やラダートレーニング、ミニハードルなどを言う)、縄跳びを基礎トレー
ニングの中心に入れて、週2回は行うように設定した。

コート数、コーチ数、保護者サポーター数
 理想はあるものの、体育館使用日数や時間、コーチの人数といった練習環境によって、
実施できる練習内容は限られる。どのような状況になっても練習を大枠から変更しなくて
もいいように4つのカテゴリそれぞれの練習の順番を変えたり、コート外でのトレーニング
をはさむようにした。

4.練習計画作成後の変化
練習メニュー作成は、一から考えるのではなく、決まったパターンにそって、計画にある
「枠」の中身を埋めるだけでよくなった。過去の練習をさかのぼって確認しなくても、トレー
ニング過多や不足になることはなく、練習内容に偏りがないことがわかるので安心して組
むことができる。

練習開始時に本日の練習内容の説明するとき、パターン通りなので細かい説明がいらない。

「技術練習」の枠に多くの時間をかけていることから、子どものプレーに変化が見られてきた。
特にネット前のショットは全体的に上達したと感じられる。練習でマスターしたことを試合で
使っている場面をみるとうれしくなる。

子ども達が「スピード練習」「スタミナノック」などの言葉を使うようになり、その時間になる
と「よしっ」と子どもたちのテンションが自然と上がるようになった。体に負荷をかける練習の
意味を理解しているからだと思う。

練習を指揮するときに、子どもを追い込んで疲れるような練習をすることで達成感を得る
ようなことがあったが、計画作成後は、子どもの体への負荷ではなく、それぞれの練習にお
ける目的が達成できているかに一番重点をおいて見ることができるようになった。

以前は、毎回の練習で必ず素振り・フットワークやゲーム練習を行い、その他にもトレー
ニングや打ち合いなど詰め込んで行う傾向にあったが、今から思うとマンネリ化していたと
気付いた。今は、曜日ごとに違う内容をパターン化してあり、1週間単位で考えることで練
習内容のバリエーションが増えた。

5.今後の課題
部員数が多いため、指導者が少ない日にはすべてのカテゴリの子に目が行き届かない。
指示を受けて子どもたちだけで練習する時間がある。上級生が下級生を指導する時間を
設けるなど、計画の修正が必要と考えている。

パターン化されていても各カテゴリや各コートに指示を出すのに時間がかかる。ホワイト
ボードの利用やプリント作成などでさらなる効率化を図りたい。

小学生の場合、手投げノックであっても上手に投げることは難しい。そこで、技術練習の
効率化をはかるために、保護者の更なる協力を得たいと考えている。

練習に関わってくださる指導者や保護者の間にこの練習計画がまだ浸透しておらず、
指示のとおりに手伝ってもらっているだけになる場合がある。そこでカテゴリや期分け、
それぞれの練習の意味について共通認識が持てるようにしたい。

<仰木の里ジュニアチーム練習計画内容>
◆年間練習計画 ←クリックすると見ることができます

◆【基礎期】練習計画 ←クリックすると見ることができます

◆【専門期】練習計画 ←クリックすると見ることができます

◆【試合期】練習計画 ←クリックすると見ることができます

◆各期の週単位実施回数表 ←クリックすると見ることができます

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

皆さん、仰木の里ジュニアチームの練習計画をご覧になってどんな感想でしたか?
参考になるところがたくさんありましたね!!
選手が練習するチームを探す時、チーム方針と練習計画の有無、練習・トレーニングの実
施内容を確認して入部する時代になります。
まだ、練習計画がないチームは是非作成しましょう!!


<小・中学生のためのスプリングキャンプ開催>
 選手の募集締め切りました-1月28日19時26分。指導者の参加歓迎!
 2015年3月20日(金)18時00分~20時00分
 2月21日(土)9時00分~20時00分:22日(日)9時00分~17時00分
 申込み締日:2015年1月31日
 内容詳細は、2014年12月26日公開のブログ記事をご覧ください。

<京都市内練習先募集>
 京都市内在住の高校1年生中級レベル男子が京都市内で練習する先を探して
 います。平日夜間及び休日に練習しているサークルで受け入れてもいいと考
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 仲介をいたします。募集期間:2015年2月末まで
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◎指導を希望される選手やチームもしくは講習会開催、合宿指導の希望がありましたら、
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プロフィール

Author:飯野佳孝
●主な著書&DVD制作
バドミントン教本「基本編」
バドミントン教本「応用編」
バドミントン教本「Q&A」
DVD見てうまくなるバドミントン教本
目でみるバドミントンの技術とトレーニング
「ナイスショット勇羽」原作者 他
●NHKスポーツ教室 企画・解説・指導
2001年・'02年・'03年・'05年
・'06年・'07年・'09年・'10年
●コーチングセミナー専任講師
●全日本ジュニア研修合宿指導委員長
1992年~2007年
●選手としての主な成績
デンマークオープンダブルス優勝 1979年
全英選手権ダブルス3位 1979年
カナダオープンダブルス優勝 1977年
 ペアは全て土田証雄氏

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