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選手を強くしたい指導者と強くなりたい選手のためのブログです。

負のスパイラル【ストロークが短い】

2014年12月3日ブログ記事「負のスパイラル【テイクバック動作】」で大きな反響がありまし
た。そこでもう少し詳しく説明して欲しいという依頼がありましたのでブログでお伝えします。

試合中の選手は、出来る限り速いスマッシュを打ち、対戦相手にプレッシャーを与えたり、
決めたいと考えています。
速いスマッシュを打つためには、ラケットを速くスウィングすることで達成されます。
腕だけでラケットをスウィングしても手打ちになり、スマッシュのスピードに限界があること
は理解できると思います。スマッシュを速くするためには、下半身⇒上半身⇒腕⇒ラケット
へと順番に運動エネルギーを発生・増大させ、ラケットを最大スピードでスウィングするこ
とで達成されます。
各部位で順番に運動エネルギーを発生・増大させてラケットを最大スピードでスウィングす
る仕組みを「運動連鎖」といいます。
運動連鎖の説明は、2013年3月30日に公開のブログ「見よ!小1のスマッシュ」をご覧くだ
さい。
ラケットをスウィングするための動力源を運動エネルギーと言います。

さて、今回は、運動連鎖の最終局面であるラケットのスウィング、ストロークの長さ(ラケッ
トの軌道の長さ)について考えてみましょう!
モデルは、女子中学1年生A選手と男子中学1年生R選手です。(年齢は撮影時)

◆女子中学1年生A選手(通常のスピードからスローモーションに変わります)
A選手は、右肘を曲げラケットを立ててスウィングを開始します。この時、右肘を後方へ引
く動作はほとんどありません。次に右肘を斜め上にあげ、曲げていた肘を伸ばすことでス
ウィングスピードを速めています。結果、遅れて手が出てきて、さらに遅れてラケットがシャ
トルにインパクトしていることが分かります。

ここで注目して欲しいのがラケット面の軌道です。ラケット全体ではなくシャトルを当てる
ラケット面です。
スウィング開始時に、ラケット面を立てた状態からラケット面は背中へ移
動し、その後、インパクトするであろう地点を目指してスウィングしています。

残念ながら、ストロークが短いので自身の最速のスマッシュが打てていません。
ラケットを十分に加速して最大スピードでスウィングするためには、ストロークが短くては
達成できないのです。



それでは、どうしたらいいのでしょうか?
R選手のスマッシュフォームを見てみましょう!

◆男子中学1年生サウスポーR選手(通常のスピードからスローモーションに変わります)
R選手は、左肘を曲げリストスタンドしラケット面を前方に向け、左肘を下げた状態から、
左肘を後方に引いてスウィングを開始しています。
ラケット面に注目してください。
ラケット面は、体の前方から後方、背中へ移動し、その後、インパクトするであろう地点を
目指してスウィングしています。

A選手とR選手を対比すると、A選手は、ラケット面が体の前方から後方へ移動するスト
ロークが省略されています。結果、全体のストロークが短いことが分かります。




<女子A選手の評価>
右肘を曲げ、手首はリストスタンドしてラケットを前方もしくは斜め上に位置しておきま
  しょう。
右肘を下にさげた状態から、肘を後方に引いてスウィングを開始しましょう。
  上記の①と②の内容は既にご本人に伝えており改善されています。
肘を後方に引いたら、肘を一旦止めないようにします。肘の動きは連続して動かしま
  しょう。
右足に体重をかけて踏み切っているので大きな運動エネルギーを発生させています。
  すばらしいですね! 踏み切る前に足踏みをしないようにしましょう。
両足の入れ替えとほぼ同時に上半身の捻りを行っています。両足を空中で入れ替え
  骨盤を捻った後に上半身を捻る動作を心掛けましょう。

<男子R選手の評価(サウスポー)>
左足に体重をかけて踏み切っており、大きな運動エネルギーを発生させています。
② 左肘を曲げ、リストスタンドしてスウィングを開始することにより、左腕の質量中心を
  体寄りにし慣性モーメントを小さくしています
。結果、速くスウィングすることが出来て
  います。皆さんも是非見習ってください。
右手をもう少しダイナミックに動かせば、さらに速いスマッシュが打てます。
運動連鎖がスムーズです。運動エネルギーを各部位で順番に増大しています。
  素晴らしいですね!

多くの女子選手は、A選手と同じように利き腕の肘を曲げ、ラケットを体に添って垂直に立
ててスウィングを開始しています。ストロークが短くなっている選手が多いので要注意です!
スウィング開始時のラケット面の位置を確認しましょう!
スウィング開始からラケット面の軌道を観察してみましょう!!

◆ラケットを垂直に立ててスウィング開始する選手は要注意!
ラケットを垂直に立てて振り始める 

実施している選手は、ストロークが短いのでシャトルを当てやすいから行っているのでしょ
うか?
指導者がそうするようにと指導しているのでしょうか?
トップの女子選手が、このような打ち方をしているから真似しているのでしょうか?
技術には男女差がありません。なぜ、世界の男子トップレベル選手の技術をコピーしない
のでしょうか?

早く、負のスパイラルを断ち切りましょう!!

<ストロークは変化する>
スマッシュの打ち方は、テイクバック動作が十分とれる時間があるかどうかで肘を引く距
離が変化します。インパクトまで時間が十分にあればR選手のような打ち方をします。
低いクリアや飛びついてスマッシュを打つ時などは、肘を少し上げた状態から肘を後方に
引きスウィングを開始します。
ネット前で低い軌道できたシャトルをスマッシュを打つする時は、肘を後方にほんの少しだ
け引いてスウィングを開始します。
このように状況に応じて利き腕の肘を引く距離が変化することを理解する必要があります。
言い換えると、インパクトからフォロースルーまでのストロークの長さは変化しませんが、
スウィング開始からインパクトまでのストロークの距離(ラケットの軌道)が短くなります。

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Author:飯野佳孝
●主な著書&DVD制作
バドミントン教本「基本編」
バドミントン教本「応用編」
バドミントン教本「Q&A」
DVD見てうまくなるバドミントン教本
目でみるバドミントンの技術とトレーニング
「ナイスショット勇羽」原作者 他
●NHKスポーツ教室 企画・解説・指導
2001年・'02年・'03年・'05年
・'06年・'07年・'09年・'10年
●コーチングセミナー専任講師
●全日本ジュニア研修合宿指導委員長
1992年~2007年
●選手としての主な成績
デンマークオープンダブルス優勝 1979年
全英選手権ダブルス3位 1979年
カナダオープンダブルス優勝 1977年
 ペアは全て土田証雄氏

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