バドミントン飯野佳孝イズム

選手を強くしたい指導者と強くなりたい選手のためのブログです。

試合中インターバルでのアドバイス-2

読者の指導者Mさんから以下の質問があり、ご本人と会話しましたのでブログで公開します。

<質問>
中学生を指導しています。先日女子ダブルスの試合があり、試合が競っていたので選手へ
のアドバスは「とにかく相手コート後方へクリアとロビングを打ってつなげろ」と言いました。
選手は忠実に守ったのですが、試合は負けてしまいました。アドバイスが間違っていたので
しょうか?(以下Mという)

飯野:アドバイスの後は、相手コート後方へとにかく返球しようとしたのですね?

:そうです。

飯野:現在の競技レベルと将来の目標を教えて下さい。

:現在の競技レベルは、地区大会中位レベルです。将来は県で優勝を争うレベルに到達し
たいと思います。

飯野:とにかく相手コート後方へ返球しろという指示は問題があります。
相手選手の「ミス待ち(エラー待ち)」を期待する戦略になりますから・・・。
相手が初心者ならネットに引っ掛けたり、コートの外に出してくれるでしょう。しかし、中級以
上のレベルになるとコート後方からスマッシュ、カット、ドロップ、クリアを打たれ揺さぶられま
す。スマッシュを決められたとしたら、非常に怖くなり萎縮してしまいます。
練習では、相手コート後方だけに返球する練習を行っていたのですか?

:いいえ。色々なショットを打つ練習を行ってきました。

飯野:アドバイスした時の心理をお聞かせ下さい。

:相手コート後方へ打っておけば、こちらのコートへ到達するのに時間がかかり、安心だと
思ったのです。そして、ラリーを決めるショットが思い浮かばなかったのです!

飯野:競技レベルが高くなるとラリーで必ず決めるショットは存在しません。極端な例かもしれ
ませんが、リン・ダンやリー・チョンウェイに対して必ず決まるショットはありますか?
ライン上に速いスマッシュを打てば決まるかもしれませんが、打てる確率が低いですね!
競技レベルが上がれば上がるほど守備範囲が広くなります。

:ではどうしたらいいのでしょうか?

飯野バドミントン競技の定義を「いろいろなストロークを正確に、かつ攻撃的に継続して打
つことによって、対戦相手にエラーをさせるように仕向ける競技」
(廣田・飯野バドミントン教
本基本編より)としました。初心者には、当てはまりません。
厳しいショットを打ち続けると対戦相手は、「もっとライン際へ打たないと厳しいショットで返球
される」「バックバウンダリーラインまで正確に返球しないと速いスマッシュを打たれる」「ネット
は浮かないように打たないとプッシュされる」などとフレッシャーを受け、無意識に際どいショッ
トを打ちます。結果、スマッシュがラインを割ったり、ロビングをアウトにしたり、ヘアピンをネッ
トに引っ掛けたりします。
厳しいショットを継続して打たれ、プレッシャーを受けたことで、対戦相手にエラーさせるように
仕向けられたのです。
これはお互い様ですが・・。

:恐れず攻撃的なショットを打ち続けるよう指示を出せばよかったのですね!

飯野:勿論、ラリーの中には、つなげる球ややっと返球するだけのショットもあります。
攻撃的なショットといっても「決めよう!決めよう!」と意識が強くなると、決まらない時に焦り
が生じます。「プレッシャーを与えるショットを打つ」と考えてもいいと思います。
わざと相手コート後方に上げてカウンターを狙う方法もありますが、相手が打つショットが怖
くなく見切ったときだけです。

:攻撃的なクリアもいいですね?

飯野:いいでしょう。しかし、クリアのコントロールがよくないとカウンターを打たれます。
現代は、つなげれば勝てる時代ではありません。対戦相手にプレッシャーを与えるショットを
多く身につけるべきです。

:攻撃的とは、具体的にどのようなショットをいいますか?

飯野:ダブルスでは、打つショットを多彩にして対戦相手にとって選択肢を増やし反応時間を
遅らせる。スマッシュを相手の利き腕肩関節周辺に打つ。スマッシュ、カット、ドロップをレシ
ーバー2名の間に打ち、返球コースを狭くしたり、反応時間を遅らせる。ドロップをスマッシュ
と見せかけ相手コートネット際へ落下させる。相手のスマッシュを速いドライブで返球する。
などです。

:分かりました。

飯野:元に戻りますが、とにかく相手コート後方へ返球しろという指示で試合を進めると、試
合結果の課題が浮き彫りになりません。
試合が終わった後、攻撃的な各ショットが有効だったのか? ショットの精度は? 対戦相手
の弱点を攻めたのか? 守りから攻撃に転じる方法はよかったのか? など今後選手が成
長するための課題が見えなくなります。
選手も消化不良になっているのではないでしょうか!?
試合で選手にトライさせて、課題を発見することも重要なポイントです。
県大会の上位を狙う発展途上の選手なら、なおさらです。

:上げてばかりの「ミス待ち」では、県のトップレベルには到底行けないことが分かりました。
練習内容も検討します。ありがとうございました。


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Author:飯野佳孝
●主な著書&DVD制作
バドミントン教本「基本編」
バドミントン教本「応用編」
バドミントン教本「Q&A」
DVD見てうまくなるバドミントン教本
目でみるバドミントンの技術とトレーニング
「ナイスショット勇羽」原作者 他
●NHKスポーツ教室 企画・解説・指導
2001年・'02年・'03年・'05年
・'06年・'07年・'09年・'10年
●コーチングセミナー専任講師
●全日本ジュニア研修合宿指導委員長
1992年~2007年
●選手としての主な成績
デンマークオープンダブルス優勝 1979年
全英選手権ダブルス3位 1979年
カナダオープンダブルス優勝 1977年
 ペアは全て土田証雄氏

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