バドミントン飯野佳孝イズム

選手を強くしたい指導者と強くなりたい選手のためのブログです。

動くスピードを抑えて練習する選手

読者で指導者のTさんから以下の質問がありましたので、ブログでも回答します。

<質問>
高校1年生男子のM選手は、県大会シングルスベスト32クラスで学年ではベスト8クラスです。
将来性はあると思うのですが、練習中速く動こうとしません。比較的ゆっくり動いて長くラリー
を続けようとします。同じようなレベルの選手には勝てるので、このままでいいと思っているよ
うです。技術と潜在的な動くスピードはある方だと思います。今まで通りの練習で強くなるの
でしょうか?

<回答>
M選手が、県トップレベルの選手(仮にA選手とする)と戦うことをイメージして試合のシミュレ
ーションをしてみましょう。
競技レベルに大きな開きがあるのでしたら、ラリーは余り続かず負けてしまうでしょう。技術と
動くスピードがあるということでしたらラリーは、ある程度続くと思います。

A選手は、コート内を速く動くことができ、スタミナもある選手です。そうすると、A選手は、シャ
トルのタッチが速く、返球までの時間が短くなります。速いテンポで攻撃されます。M選手は、
それに対応するために練習時よりギアを上げて速く動かなければなりません。ラリーも全体的
に長くなるでしょう。

A選手のショットは多彩で攻撃力があるため、ショットとコースの予測が困難です。時には、予
測の逆を突かれることもあります。
そうするとM選手は、今まで以上に床を強く蹴り、速く動き始めることが必要になります。予測
の逆を突かれたら下肢や体幹(腹筋群・背筋群)の筋力や筋パワーを最大限に発揮して、体
勢を立て直さなければなりません。

以上のような状況が続き試合の後半になってきたら、M選手は、乳酸が今まで以上に大量に
生成されるなどして動くスピードを落とさなければならなくなります。呼吸は非常に苦しくなり集
中力が低下します。
そして、ラリーを長く続けることが出来なくなり単発勝負に出てくるでしょう。
試合結果は分かり切っていますね。
県トップレベルの選手と試合をしたら、このような試合展開が予想されます。

:レベルの高い選手と試合をしたら、普段の練習時より速く動かなければならなくなり、ラリ
ーも長くなる。そして大きな筋力を発揮する場面が多くなる。結果、スタミナが低下して足が
止まってくるということですね!

飯野:そうです。スタミナという観点からすると、打ち合いの練習では、レベルの高い試合と
同程度の運動強度、もしくはそれ以上の運動強度で実施しなくてはいけません。
ゆっくり動いて長く続けることは訓練で獲得しやすいのですが、速く動いて長く続ける、シャト
ルを拾うなどの休憩をはさんでそれを繰り返す能力は、獲得が容易ではありません。

:どのような練習・トレーニングを行なえばいいのでしょうか?

飯野:スタミナ向上を狙った練習の例を紹介します。打ち合いの練習でシングルス2対1の1
が攻撃する練習があります。1が攻撃2がサイドバイサイドで守ります。1がクリアを打ってき
たら2はクリアで返球します。必然的に1が攻撃を行うことになります。他のラリーはフリーで
す。M選手は、コート内を速く動いてスマッシュ、カット、ドロップなどで攻撃を継続するように
しないと意味がありません。時々クリアを打っても構いません。
シャトルを2~3個持ってエラーしたら手持ちのシャトルを直ぐに出して下さい。全てのシャト
ルを使い切ったらシャトルを拾いに行きます。その時に休んで下さい。結果、ラリーが長くな
り、相対的に休憩時間が短くなります。運動強度が普段の練習より上がります。
オールアウトもしくはオールアウト近くになったら終了します。

また、スタミナ向上を狙いとしたノック練習では、30秒~1分30秒間厳しい球を出して速く動か
します。運動時間と休息時間は1対1でオールアウトまで実施します。もしくはフットワーク練
習でもいいです。実施条件は同じです。

オールアウトになる練習は、週2回程度がいいでしょう!
しかし、実施時間(回数)やセット数は、少ない回数やセット数から徐々に増やしていく必要が
あります。

:他に必要なトレーニングは?

飯野:ノックやフットワークによるスピード練習も必要です。
代表的なトレーニングが、最大筋力向上のトレーニングと筋パワートレーニング、クイックネス
&アジリティトレーニング、縄跳び(2重飛び)やジャンプトレーニングなどのプライオメトリック
トレーニングです。

:練習時間や器具などの問題がありますね!

飯野:出来るものから実施して行きましょう! また、選手が強くなりたいという気持ちがない
と長続きしません。非常にハードな練習・トレーニングになりますから・・・。

:本人の意思を確認します。

飯野:一度トップレベルの選手と試合を行ってもらい、どうような試合展開になるか様子を見て
みるのもいいでしょう。シミュレーション通りになれば動機付けになりますね!

:ありがとうございました。

<注>文中の練習・トレーニング内容は、高校生向けですので注意してください。

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プロフィール

Author:飯野佳孝
●主な著書&DVD制作
バドミントン教本「基本編」
バドミントン教本「応用編」
バドミントン教本「Q&A」
DVD見てうまくなるバドミントン教本
目でみるバドミントンの技術とトレーニング
「ナイスショット勇羽」原作者 他
●NHKスポーツ教室 企画・解説・指導
2001年・'02年・'03年・'05年
・'06年・'07年・'09年・'10年
●コーチングセミナー専任講師
●全日本ジュニア研修合宿指導委員長
1992年~2007年
●選手としての主な成績
デンマークオープンダブルス優勝 1979年
全英選手権ダブルス3位 1979年
カナダオープンダブルス優勝 1977年
 ペアは全て土田証雄氏

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