バドミントン飯野佳孝イズム

選手を強くしたい指導者と強くなりたい選手のためのブログです。

初心者が空振りする

読者のHさんから質問がありましたので、ブログでも回答します。

 

H:小学生初心者の母親です。クラブに入って半年ですが、クリアを打つ練習では空振
    りばかりします。どうしたらいいのでしょうか?

飯野:クリアの練習では、どんな方法で行っていますか?

H:5名前後の選手がコート後方に列をつくり、コーチの方が高く投げるシャトルを1
    球クリアを打って次の選手に交替します。5名がローテーションして練習すること
    を中心に行っています。

飯野:選手の人数が多いから、このような練習を行っているのですか?

H:たぶんそうだと思います。

飯野:ほとんどの選手は、クリアを打てるのですか?

H:多くの選手は空振りばかりしています。

飯野:初心者の選手にとって、垂直近く落下するシャトルを打つことは至難の業と言え
    るでしょう。また、ストロークやフォームが確立していないのに自由に打たせてい
    ると適切でないストロークが身につく恐れがあります。

H:シャトルを打たない素振りから始める必要があるということですね?

飯野:そうです。しかし、シャトルを打たない期間が長すぎると飽きてしまうので、シ
    ャトルを打つことと並行して行う必要があります。最初は、素振りが中心ですが、
    徐々にシャトルを打つ練習の割合を増やして行けばいいと思います。

H:シャトルを打つ練習では、どのショットから練習すればいいのでしょうか?

飯野:初心者に限らずバドミントンの練習は、簡単な練習から徐々に複雑な練習に移行
    するのが原則です。バックハンドのドライブやロビングから練習しましょう。次に
    ハイバックです。高い打点で打つのはなく、バックハンドドライブの延長線上で自
    身の頭の少し上くらいを打点として打たせましょう。バックハンドの練習を最初に
    行い、グリップを徹底させます。

    次にフォアハンドのドライブとロビングです。最後に一番難しいクリアやスマッシ
    ュなどのオーバーヘッドストロークです。その際、一番の注意点は、選手がスウィ
    ングすればシャトルが当たるであろうエリアにシャトルを正確に投げることです。
    ラケットでシャトルを出すと多少コントロールが乱れるため、シャトルを手で投げ
    た方が狙ったエリアに球出しができると思います。

H;シャトルを投げる人と選手の距離は?

飯野:ドライブやオーバーヘッドストロークの練習では、至近距離過ぎてはテイクバッ
    ク動作が出来ないので、ある程度距離が必要です。1.5メートル~2メートル位離れ
    て投げてみてください。

H;初心者とシャトルを打ち合う練習は論外といっていいのですね!?

飯野:何が練習の目的かを考えましょう! 初心者でもシャトルを打ち返せる選手なら
  いいかもしれませんが・・。

H:冒頭の当チームがローテーションで練習する件はどうでしょうか?

飯野:選手がストロークやインパクトの感覚を身につけるには、できる限り続けて多く
  のシャトルを打つ必要があります。
1球を空振りして交替では、感覚が身につきま
  せん。

H:具体的な本数は?

飯野:選手の疲労や集中力との兼ね合いで本数が決まります。レベルの高い選手のコン
  トロール練習では、1回の単位が5分~10位行います。スピンネットやクロスネット
  などあまり疲れない技術練習は、1つのショットに15分ほど続けて行う場合もありま
  す。
初心者は、一般的には10本~15本連続して打つことから初めて見てください。

H:選手にシャトルを投げるコーチが多くないと練習できないですね?

飯野:そうです。それが問題です。練習に付き添ってきている父兄の方の協力を仰いで
  は如何でしょうか?

H:私は手伝います。

飯野:それと、ある程度正確に飛ぶシャトルの数が必要です。どれくらいのスウィング
  スピードで打てばいいのか? ラケットの角度は? など
感覚を研ぎ澄ますには、
  ある程度正確に飛ぶシャトルを使用することが不可欠です。

H:わかりました。別件ですが、選手がドライブを打つ技術練習で、フィーダーが選手
  のすぐ真横から手で球出しを行うのを見たのですが、いい練習になりますか?

飯野:練習はできる限り試合に近い方がいいわけです。試合でシャトルが真横から出て
  くることはありません。従ってこの練習の目的は、私には理解できません。

H;練習の目的が分からない場合は、止めたほうがいいですね。

これらのことをチームの指導者と話しをしてみます。ありがとうございました。

 

 

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プロフィール

Author:飯野佳孝
●主な著書&DVD制作
バドミントン教本「基本編」
バドミントン教本「応用編」
バドミントン教本「Q&A」
DVD見てうまくなるバドミントン教本
目でみるバドミントンの技術とトレーニング
「ナイスショット勇羽」原作者 他
●NHKスポーツ教室 企画・解説・指導
2001年・'02年・'03年・'05年
・'06年・'07年・'09年・'10年
●コーチングセミナー専任講師
●全日本ジュニア研修合宿指導委員長
1992年~2007年
●選手としての主な成績
デンマークオープンダブルス優勝 1979年
全英選手権ダブルス3位 1979年
カナダオープンダブルス優勝 1977年
 ペアは全て土田証雄氏

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