バドミントン飯野佳孝イズム

選手を強くしたい指導者と強くなりたい選手のためのブログです。

ジュニア選手の落とし穴

Xチームで小学6年生のK選手は、身長が高くスマッシュやクリアーに威力がある。とても小学
6年生とは思われないほどのシャトルのスピードである。このスマッシュとクリアーを武器に、
全国大会でも優勝候補の一角を担っている。

K選手のコーチや父兄は、K選手に対して練習中や試合後に技術的なことは一切言わないし、
練習中は技術練習も行わない。もっぱら中学生との試合が中心である。試合は楽に勝つため
余計なことは言わなくともよいし、レベルの高い選手と練習試合をやっていれば強くなるという
考えだ。中学生になってからも、同じような練習が続く。

一方、YチームのD選手は、身長は同学年では低い方だが自身で強い選手の打ち方や身のこ
なし方、フットワークを研究し、一流選手を小さくしたような選手である。

Yチームは、世界レベルの技術と素早い身のこなしの習得を指導方針としており、徹底した技
術練習と速いフットワークの練習とそれに関連したトレーニングに注力している。
目指す技術が直ぐにできなくとも根気よく練習を行なう。今出来なくとも練習しておけば将来必
ず出来るようになるという考えだ。

 

ある時、K選手とD選手が対戦した。D選手はK選手のクリアーに押し込まれ、短く返球すると
速いスマッシュでノータッチを連発させられる。

D選手がK選手に勝つためには、ネット際の攻防に活路を見出すしかない
ネット際からスピンネット・クロスネット、ネット前から後方へ速いロビング、相手の足を一瞬止
める技術、レシーブでネット際へ返球、そして、ネット際へ打つドロップだ。

D選手は、序盤圧倒されたが、終盤シャトルのスピードに慣れ、競ったが負けてしまった。


さて、5年後に再び2名が対戦した。

試合結果はどうだったのだろうか?

D選手は身長が伸び、筋力もついてきた。小学生時代に培った技術と速いフットワークで、K
選手を圧倒したのだ。

 

K選手が小学生時代に試合に勝った要因は、長身とそれに比例した筋力だ。しかし、5年後、
D選手はK選手と身長と筋力で互角になった。互角になれば、小学生時代に培った技術とそ
れを生かす速いフットワークで優位になる。

小学生や中学生低学年の試合で勝ち負けを決める要因に身長差がある。しかし、高校生以
上となると、その差が少なくなり、差があったとしても筋力を向上することによって身長差を埋
められる。

K選手は小学生時代にやるべき練習を行なっていなかったため、今になってそのツケが
回ってきた。今からレベルの高い技術や速いフットワークを習得するには小学生時代よ
り数倍も時間がかかる。

 

小学生時代は、神経系が著しく発達する時期である。その間、高度な技術を練習するこ
とと素早い身のこなしの練習とトレーニングは、必要不可欠である。
選手を長い目で見て、この時期やっておかなければならいない練習とトレーニングを見逃して
はならない。

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テーマ:バドミントン - ジャンル:スポーツ

  1. 2012/10/08(月) 00:41:55|
  2. 方針
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
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コメント

勉強になりました

毎回、楽しく見させていただいています。
今回のテーマは、我が家にはピンポイントのテーマでした(^-^)/
我が家には2人の息子がいますが、2人とも同学年の子と頭1つ違うくらい身長が低いです。
食べ物や飲み物にも気をつけ、周りがいいというものには必ず試すようにしています。
身長の低さと体重の軽さが、本人達のコンプレックスになりはじめ、
去年まで、勝っていた相手にも、今年はパワーで完敗したところだったので、ありがたい内容でした。
頑張っていれば、この先また
逆転できるチャンスがあると希望も
見えました。
これからも、家族みんなで頑張ろうと思いました。

  1. 2012/10/09(火) 22:44:04 |
  2. URL |
  3. カナマナママ #-
  4. [ 編集 ]

勉強になりました(同感)

勉強になりました。体育の日に地元の研修会に行きました。指導者研修会で、「1時間でそのコートにいるジュニア選手の課題を考えて指導する」と言うもので、違うチームの選手が各コートに散らばって入っていました。偶然自分のコートにはブロック大会選手もいました。さて知らない指導者と選手が1時間で何ができるかからはじまりました。 しかし飯野先生がおっしゃっているように、「今勝てればいい」だけではなく、子供の成長過程で身につけるものが何かその理論をわかっていれば、大人にも子供にも共通になるものを伝えればいいんだなと思いました。
自分が実施した1時間が良かったかどうかの判定がなかったのですが、本当はそこまでやってこそ指導者のレベルアップにつながるのかな?と反省しています。
  1. 2012/10/10(水) 08:58:28 |
  2. URL |
  3. 勇羽の母A #-
  4. [ 編集 ]

ジュニア選手の落とし穴

皆さんから多くのコメントありがとうございます。
この内容は実話を元に書いています。私は身長があリクリアーの飛距離だけで勝っている選手の指導者や父兄の方の警告を出したつもりでしたが、逆で悩んでいる方が多いことも知りました。今やるべきことを是非実践してください。
  1. 2012/10/13(土) 12:38:08 |
  2. URL |
  3. 飯野 #-
  4. [ 編集 ]

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プロフィール

Author:飯野佳孝
●主な著書&DVD制作
バドミントン教本「基本編」
バドミントン教本「応用編」
バドミントン教本「Q&A」
DVD見てうまくなるバドミントン教本
目でみるバドミントンの技術とトレーニング
「ナイスショット勇羽」原作者 他
●NHKスポーツ教室 企画・解説・指導
2001年・'02年・'03年・'05年
・'06年・'07年・'09年・'10年
●コーチングセミナー専任講師
●全日本ジュニア研修合宿指導委員長
1992年~2007年
●選手としての主な成績
デンマークオープンダブルス優勝 1979年
全英選手権ダブルス3位 1979年
カナダオープンダブルス優勝 1977年
 ペアは全て土田証雄氏

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