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バドミントン飯野佳孝イズム

選手を強くしたい指導者と強くなりたい選手のためのブログです。

やってはいけない、効果がない練習・トレーニング

11月25日(土)&11月26日(日)山梨県で開催したセミナー期間中,講師、スタッ
フ、一部の受講者間で夜間2時間の座学を開催しました。普段の練習・トレーニン
グ内容で疑問に思っていること、チーム運営、練習計画など多岐に渡り討論しまし
た。今回は、その中の一部分を紹介します。
昔、やってはいけない、効果がない練習・トレーニング内容を「根性×(かける)
うさぎ跳び」だね! と言って苦笑し合っていました。現代のバドミントン競技で
やってはいけない、効果がない練習・トレーニングは、

「根性×うさぎ跳び×走り込み×基礎打ち×耳に近づけてスウィング×コンパクトスウィ
ング×シャトル置き・拾い」です。

◎根性
練習・トレーニングの目的がなく、苦しければ効果があると考えて行う根性論での練
習・トレーニングです。選手が目的を理解し納得して実施すると効果があります。

◎うさぎ跳び
昔は、どのスポーツもうさぎ跳びの全盛期がありました。野球マンガの「巨人の星」
の悪影響もあったのでしょう! 現代では、うさぎ跳びは百害あって一利なしと言わ
れています。腓骨の疲労骨折の原因になることや、バドミントンの動作と無関係なこ
とから実施している選手はおそらくいないでしょう。

◎走り込み
長距離走のことです。バドミントンのスタミナ向上を目的として毎日のように長距離
走を実施しているチームがたくさんあります。長距離走はバドミントンのスタミナ向
上に寄与しているのでしょうか? エネルギー代謝経路から考えると長距離走は、有
酸素運動。バドミントン競技は、ATP-CP系、乳酸系が中心です。運動強度はバドミ
ントンの方が高く、動作も全く異なることから長距離走は、バドミントン競技のスタ
ミナ向上には直結しないことが理解できます。
長距離走は、長い間練習を休んでいて
運動を開始する時期に実施します。また、ジョギングで疲労回復を図ったり、気分転
換などの時に行うべきです。
バドミントンのスタミナ向上を狙いとする練習なら、ノック練習やフットワーク練習で
試合と同程度もしくはそれ以上の強度で行うべきです。コートが使用できない場合は、
インターバル的(間欠運動)で乳酸系のトレーニングがいいでしょう。具体例として、
300m~600mの中距離走・階段走・坂道ダッシュ・縄跳び、サーキットトレーニング
などです。また、中学生になれば筋持久力トレーニング、高校生以上は、さらに筋パ
ワートレーニング(瞬発系トレーニング)がスタミナ向上のための必須トレーニング
です。

◎基礎打ち
基礎打ち世界チャンピオンはたくさんいます。しかし、試合になるとエラー続出です。
試合では、クリア、スマッシュ、ドロップ、ドライブ、ネットショットなどクロス方
向にも打ちます。そして、サービス、ハイバック、カット、低いロビング、サイドレ
シーブなど他にも基礎打ちで練習していないショットを多く打つからです。このよう
に基礎打ちは、試合で使うショットの半分以下で打ち合っています。基礎打ちが出来
れば、技術が完成したと考えることは大きな間違いです。
基礎打ちは、技術練習でしょうか? ウォーミングアップでしょうか? 肩慣らしで
しょうか? なぜ毎回同じ内容の基礎打ちを繰り返すのでしょうか?
技術練習なら、習得したい、精度を上げたい技術を時間をかけて集中的に行うべきで
す。本練習の始まる前に必ず実施する必要性はありません。
ウォーミングアップなら基礎打ちをする前にコート外でも実施することができます。
これから試合を行う時や総合練習や部分練習などの打ち合いの練習を行うときは、
5~10分程度の短時間でシャトルを打ち合う必要はあると思います。それ以外に、い
つも本練習の前に20~30分基礎打ちを儀式的に行うと、20分×年間練習日とすると膨
大な時間を費やしています。その時間を別の練習・トレーニングに当てては如何でしょ
うか? 選手は随分と上手くなるのではないでしょうか!
儀式的で毎回同じような内容を繰り返す基礎打ちは、早く止めましょう!

◎耳に近づけてスウィング
未だにスマッシュやクリアを打つ時に、利き腕を耳に近づけて打て! と言っている
指導者がいるようです。残念です。利き腕を耳に近づけて打つと、腕をスウィングす
る主働筋である大胸筋と広背筋が引き伸ばされて腕・ラケットを自身の最速でスウィ
ングすることが出来なくなります。垂直に立った場合、腕を約45度位の角度でスウィ
ングしましょう! そうすると大胸筋と広背筋が程よい長さになり自身の最速で腕・
ラケットをスウィングすることができます。上半身を左側(右利き選手)に傾斜する
ことで打点が高くなります。

◎コンパクトスウィング
セミナー中、受講者から「全国的に強い選手のお父さんが、スマッシュやクリアは、
ラケットがよくなったのでコンパクトにスウィングしてもシャトルが飛ぶからいいん
だ!」と言っていますが? という質問がありました。コンパクトスウィングとは、
テイクバック動作を短くしてラケットヘッドが動く軌道を短くすることです。例えば、
ラケットを垂直に上げた状態からスウィング開始し、ラケットヘッドが頭の上を中心
にスウィングする、もしくは利き腕の肘を高く上げ、後ろに引いた状態からスウィン
グを開始することです(弓を射るような構えからスウィングを開始)。
多くのジュニア選手とその指導者及び父兄は、選手がコンパクトにスウィングするた
めクリアが飛ばないと悩んでいます。中学生以上になっても出来る限り速いスマッシュ
やカット、ドリブンクリアを打ってノータッチさせたい、相手にプレッシャーを与え
たいと考えています。それに反してコンパクトスウィングでいいんだという根拠が理
解できません。そのお父さんの息子さんの試合を見るとスマッシュやカットを打って
いる時は、大きなストロークでダイナミックにフルスウィングで打っています。コン
パクトスウィングの説得力が全くありません。
選手の可能性を妨げる発言や指導は止めるできです。特に影響力のある人は尚更です。
高いロビングなどシャトルが落下するまで時間があり、速いスマッシュやカットを打
ちたいときは、ストロークを大きくして打つ。
低いロビングや跳びついて打つ時など、テイクバック動作を短くしないと間に合わな
い時は、コンパクトにスウィングする。
このようにストロークの長さは、相手の返球によって制限されたり、自分が何を打ち
たいのかによってもアメーバーのように変化することを理解すべきです。

◎シャトル置き・拾い
シャトル置き・拾いの目的は何でしょうか? スピード練習? スタミナ練習? 
柔軟性向上? 筋力トレーニング?
シャトル置き・拾いの練習をスピーディーに行おうとすると、無理な体勢のため膝や
腰の傷害発生の可能性が高まります。そこで、ほとんどの選手は危険性を感じ、動き
をスローモーにして行っています。従って、スピード練習やスタミナ練習ではないと
言えます。
柔軟性を向上するなら静的ストレッチなどで両足を前後に広げるストレッチを行いま
しょう!
筋力トレーニングでしたら、シャトル置き・拾いは不適切な方法です。
こうしてみると何を目的に実施するのか分からない練習です。
これも儀式的な練習と言えるでしょう!
早く止めて他の練習・トレーニングに切り替えましょう!

なぜ、上記のような練習・トレーニングが一般的になったのでしょうか?
自分のチームより強いチームに練習に行ったとき、少し変わった練習・トレーニング
を実施していた。強い秘訣は、この練習・トレーニングを実施しているからだ! 
と勝手に思い込み、盲目的に自チームに取り込んでいることが多くあります。
いやちょっと待てよ! この練習・トレーニングの目的はどこにあるのだろうか?
狙いは?
時間は?
回数やセット数は?
と一呼吸おいて考えればいいのですが・・・。

もしくは、実施しているチームの首脳陣に聞いてみては如何でしょうか?
指導者やコーチは、現在実施している練習・トレーニングの目的や条件を選手に説
明し、理解させてから実施しなくてはいけません。

一方、選手も質問する習慣を身につけましょう! 
おっと小学生はまだできないですね! それでしたら父兄に説明しましょう!
説明できなければ実施しない方がいいかもしれません。

練習時間が足りないと考えているチーム・選手が殆どです。限られた時間の中で効
率よく、質の高い練習を行うことを考えましょう!


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プロフィール

Author:飯野佳孝
●主な著書&DVD制作
バドミントン教本「基本編」
バドミントン教本「応用編」
バドミントン教本「Q&A」
DVD見てうまくなるバドミントン教本
目でみるバドミントンの技術とトレーニング
「ナイスショット勇羽」原作者 他
●NHKスポーツ教室 企画・解説・指導
2001年・'02年・'03年・'05年
・'06年・'07年・'09年・'10年の計8回
●コーチングセミナー専任講師
●全日本ジュニア研修合宿指導委員長
1992年~2007年
●選手としての主な成績
デンマークオープンダブルス優勝 1979年
全英選手権ダブルス3位 1979年
カナダオープンダブルス優勝 1977年
 ペアは全て土田証雄氏

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